Impression of Wolf Brother

管理人による 『オオカミ族の少年』感想
◆Wolf Brotherとの出会い◆
2005年5月頃、職場の最寄り駅近くの書店に行くと、
少年とオオカミのイラストが入った児童書の発売告知のポスターが貼ってありました。

日本では、全6巻シリーズの1巻目すら未発売であるにも関わらず、「早くも映画化決定!」の文字。
「…最近児童書ファンタジーの映画化ばやりだよなぁ…」と半ば呆れていると、
そこには「監督、リドリー・スコット」の文字。

リドリーは、ちょうどこの頃激ハマりになった監督。
「何ィ?!」と思って、本の題名を見ると、『オオカミ族の少年』とある。

オオカミと少年好きの私、食指動きまくり(笑)
「あ〜、リドリーが監督するくらいだから、ガキっぽい話ではないだろうし、どんな話なんだろ…?!
でも、このイラスト(日本版表紙絵)を見ると、現代のヨーロッパの少年が、過去か異世界に行って−
という、いかにもな西欧ファンタジーって可能性も…だったらやだな」と、
期待と不安を胸に、発売日を待つことに。


◆ツボ!!!!「ネイティヴ」な世界観!◆
2005年6月末、『クロニクル千古の闇1 オオカミ族の少年』が発売されるとすぐ購入。
…不安は全て吹っ飛びました。
主人公は6000年前のヨーロッパに生きた少年。異世界、異時代スリップものでないばかりか、
西欧ファンタジーというより、「ネイティヴ」モノ。

狩猟採集民族の民話や伝承を髣髴とさせる世界観なのです。
それもそのはず、原作者、ミシェル・ペイヴァー氏は、この物語を書く際、
北米先住民やイヌイット、アフリカのサン、
そして日本のアイヌの暮らしや文化を参考にしたのだそうです!!


アフリカのサンはよく知らないのですが、北米先住民、イヌイット、アイヌはまさにツボ!!でして。
一気に物語世界に引きずり込まれました。

この『千古の闇』シリーズ、「『指輪物語』に続く壮大なファンタジー」的な宣伝文句な用ですが、
そういった(?)西欧ファンタジーファンよりも、先に述べたような
「ネイティヴ」好きな方にこそお勧めしたいシリーズだと思います。

(日本では評論社刊なので、仕方ないですが)

◆ツボ!!!!狩猟の描写!◆
リドリーが映画化権を買うくらいだからガキっぽい話ではないはず…というのも当たり!(笑)
特に、人と動物の距離感がたまりません。狩猟採集民族の話らしく、
狩る(殺す)、バラす(解体する)、喰う、という行為が当たり前に出てきます(そして感謝も忘れない!)。
トラクとウルフの出会いのシーンのトラクなんか、もう最高です、ムフフ。
んでも、日本だと、こういうのニガテって人も結構いるのでしょうか…(笑)

あと、リドリーが目をつけた作品らしく(?)暗〜い感じなのもよいですね。
(原題は"Ancient Darkness"、邦題は『千古の闇』だし)
私が頭に思い浮かべる、この作品の舞台の森って、まんま『グラディエーター』の冒頭部の森です(笑)
…暗い、といえば、トラクも基本暗いし(爆)

◆レンたん!!フィン=ケディン!!◆
世界観、ストーリももちろん、キャラクターも良いです。
私が一番お気に入りなのは、ワタリガラス族の弓の名手、レン(以下レンたん・笑)です!!
もうむちゃくちゃかわええ。

私、女の子キャラが一番のお気に入りになることってなかなかないのですが、
レンたんはも〜!特別!!ですっ!

男っぽいさっぱりしているところも、女の子らしくよく気がつくところも、
氏族一の弓の名手なところも、魔導師の素質十分なところも、

いつもなんか食ってるところも、「ただのレン」なところも、全部全部大好きです!

今のところ、同じくらい好きなのがフィン=ケディン。元々リーダーとおっさん好きなもので(笑)
ワタリガラス族の伯父&姪にメロメロ(←死語)です。

トラクとウルフは、トラクのほうがやや好き度が高いですが、同じくらい好きです。

◆世の中的には?◆
一般的にはウルフが一番人気みたいです。かわいいですけどね、ウルフ。(ですけどねって何だ)
ファンサイトなんかでも、ストーリーを話す上で、レンについて触れられていないので、
レンは人気薄かと思っていたのですが、

ファンサイト"The Clan"の「どのキャラが好き?」フォーラムでウルフに次ぐ人気でした。
日本でも、感想書いている方の中に「レンかっこいい」とおっしゃる方もいるようですし!!
意外と人気あるんだ〜、と嬉しくなりました(笑)
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